最初は体育教師志望でした。
私は高校まで野球をやっていました。小学校3年からなので、通算で10年ほどになります。大学時代は教師をめざしていたのですが、代表の小倉に声をかけられて入社を決めました。もともと指導というか、人に物を伝えることが好きでした。相手が何かできるようになったり、そこで感動したりする姿を見ると、自分も嬉しくなります。だから「1対多」で教える体育教師になろうと思っていたわけです。でもアクアに入って、マンツーマンで教える楽しさも知りました。
教え子のお母さんが泣くほどの成長。
これまでコーチをやっていて印象に残ったのが、教え子がリレーの選手になれたことです。実はそれだけだとよくあるケースと言えますが、その子は運動が全く苦手。特に運動をしていなかったのに、リレーの選手に選ばれたわけです。その時はお母さんに、泣きながら「ありがとうございます」とお礼を言われました。私自身もすごく感動して、記憶に強く残っています。
リレーの選手には、ふだんからサッカーや野球などを普段からやっている子がなりやすいもの。そういう子たちに勝てた経験は、人生にとって大きな成果だと思います。しかも指導は週に1回だけでしたから。ちなみにその子は、中学に進学したら陸上部に入りました。
強い心に、技術と身体がついていく。
たとえばかけっこなら、誰でも速くなれる可能性があります。もっと言えば、速く走れるようにする自信があります。私が常に意識しているのは、心技体の融合です。私の持っているクラスでは必ず挨拶をしっかりさせますし、私も顔を見て話すように心がけています。レッスンでたとえキツかったとしても、「どうしてそれが必要なのか」を丁寧に説明しながら強い心を作り、並行して技術や体力を付けていくようにしています。
トレーニングの意味を説明し、納得してもらう。

ただ厳しいだけの指導は、決してしません。私自身が中学校時代にそのスタイルで嫌な経験をたくさんしました。理不尽に走らせ続けるとかは、まったく意味がないとすら言えます。相手が子どもであったとしても、理論の説明はきちんとした上でトレーニングに取り組んでもらいます。「いまはちょっとつらいけど、次のステップに行くためなんだよ」と、伝えることが大事です。そしてつらい部分でがんばれたというのは、運動だけでなく社会に出ても役立つはずです。壁にぶつかったときに運動の体験を思い出して、乗り越えてくれれば良いな、といつも考えています。
遺伝は関係ないので、保護者の方はご安心を。
保護者の方の悩みとして、「遺伝でやっぱり走るのが遅いのでしょうか」というケースは多いです。でも私は、遺伝は関係ないと考えます。現実的には、保護者の方がふだん運動しないので、子どもも動かなくなってしまうんですね。だから本来、育っていく部分が伸びていかないわけです。また今の時代、走る場所も時間も取りづらいので、余計に遺伝と思い込みやすくなっていると言えるでしょうか。私の両親も、特に運動神経が優れていたわけではありません。父が野球好きで私も興味を持ち、さらに友だちと遊ぶ中で運動能力が高まったと自己分析をしています。
「できない」は思い込み、必ず速くなれます。
アクアのかけっこ塾でもっとも言いたいことは、「誰でも速くなれる」です。どうせ速くは走れないと思い込んでしまっている子たちを、すくい上げたいと思います。そうするには、子ども達がもっと運動に親しんで、達成感や爽快感を味わえる環境づくりが非常に重要。場所とスキル、両方を提供できる我々の価値を、もっと打ち出していきたいと思っています。
現在、東京都内が主なレッスン場所となっていますが、それだけではもう足りない状況です。日本全国、どこでもできるように広げていくのが、当面の目標です。かけっこ塾の全国展開ですね。
本人も気づかなかった才能を伸ばします。

運動することが楽しくなる、これは未来の受講生にお約束できます。走ることから別方面の才能に気づくこともありますし、違う運動に橋渡しもできます。私の教え子に、中学校入学を機にテニスから陸上に転身した子もいました。一方でボールを扱う感覚が優れているので、「サッカーやったら?」と勧めた例もあります。何もスポーツをやっていなかった子であれば、なおのこと考えもしなかった選択肢が見えて来ることでしょう。まず走りを鍛えて、そこから運動全般に視野を広げる。かけっこ塾に来れば、人生の幅まできっと広がると思います。
だいじょうぶ
私が走りを変えてみせます!
元吉 弘樹